生成AI使用疑惑の根拠
まずジャーナリストで、法律の専門家でもあるマーク・ジョセフ・スターンは、Blueskyへの投稿において「明らかにAIの助けを借りた、お粗末でずさんな仕事」と評している。
その理由として「誤字や書式のミスが複数の大統領令で繰り返されており、大量のコピペが行われていることを示している。そのレトリックは、第5巡回区裁判所の最もいい加減な判決を模倣したChatGPTのように感じられる」と述べている。
彼はその実際の例も挙げている。
そのひとつが、トランプ大統領が1月20日に署名した、「UNLEASHING ALASKA’S EXTRAORDINARY RESOURCE POTENTIAL(アラスカの並外れた資源ポテンシャルを解き放つ)」というタイトルが付けられた大統領令だ(全体の原文はこちらのリンクで確認できる)。
セクション1と2が序文に相当する箇所で、それを読むと、簡単に言ってしまえばこの大統領令は「アラスカは豊富な天然資源を持ち、その開発は米国民の繁栄と国家安全保障に貢献するが、そのためには前政権の資源開発制限を撤廃する必要があるのでそれを指示する」というものになる。
そのセクション3(大統領令の本文)のサブセクションxvが問題の箇所だ。

冒頭で「以下の公共土地命令を元の形に戻すこと」という指示があり、それは良いだろう。
ところが、続きを読むと、「a.1. 2021年1月11日に内務長官が署名した公共土地命令第7899号」という項目に続き、インデントを付けた形で(つまりこのa.1.項のサブ項目であることを示した形で)「1.2. 2021年1月16日に内務長官が署名した公共土地命令第7900号」など4つの命令の名前が続く。
そして、最後にインデントを戻した上で「1. および、内務長官が本命令の第2条に記述された政策的利益を促進すると判断するその他の公共土地命令」という言葉で締められている。
彼はこうした奇妙な書式が、AIによって生成された証拠のひとつであると指摘。その上で、「奇妙なタイプミスや書式の誤りは、将来的に混乱を引き起こす可能性がある……。もし内務長官がこの命令の第XV条(1)の下で権限を行使した場合、6つある「1」とラベル付けされた異なる小節のうち、どれを意味するのか?そして、小節が2つの異なる番号を持っている場合、どの番号が優先されるのか?」と懸念を表明している。