「私、失敗いたしません」とトランプ

 トランプ氏の就任演説は、ひと言でいえば、いつものトランプ氏らしくなかった。(スピーチライター苦心の作だ)。

「就任式の日は『解放の日』だ。大統領選での勝利は米国が我々の政策の下で急速に団結しつつあることを示している」

(大変な自信だが、国民の半分はそっぽを向いている)

「私は平和をもたらし、団結を促す人物として記憶されることを望む」

とにかくウクライナ戦争は終結させてほしいものだ)

「我々は脅かされることはない。我々は壊れることはなく、失敗することもない」

(まさに日本の人気テレビドラマ「ドクターX」の常套句のようだ)

 また、トランプ氏は就任式当日に署名する予定の一連の大統領令を列挙した。

一、メキシコとの国境での国家非常事態の宣言。不法移民対策。

二、政府による検閲を直ちに停止し、米国に言論の自由を取り戻すための大統領令。

 実際にどれほど実現するのか、疑問視する向きも少なくない。

 現にトランプ氏が大統領選に勝ったことで「米国が急速に団結している」という兆候はない。むしろ分裂はよりひどくなっている。