今回の中居とフジの問題も広報戦略のミスで混乱を招いてしまった。業を煮やしたダルトン・インベストメンツは1月14日までに「フジの企業統治に欠陥がある」などとして、第三者委員会の設置を求めた。
外圧である。これによってフジの態度はやっと変わる。同15日、第三者の弁護士を入れた調査委員会をつくることを表明した。
馴染みの記者だけを集めた会見
同17日には港浩一社長(72)らが記者会見に臨んだ。これもダルトン社の動きに反応したものと見ていい。それまでは全面否定の声明を出しただけだった。
会見は放送記者クラブ員を対象に行われた。週刊誌、フリーの記者は締め出された。
NHKなど他局も参加が認められず、オブザーバー(立会人)として会見を傍聴するにとどまった。この対応にも批判が殺到し、ますますフジは窮地に追い込まれたが、NHKや他局までが批判するのは虫のいい話だ。
どの局も社長らの記者会見は放送記者クラブ員以外の参加は絶対に認めないのである。これもテレビ界の広報体制の古さを表すエピソードだ。