経営トップの不祥事続き
「ENEOSホールディングス(以下、エネオスHD)」は、経営トップが二代続けてセクハラで交代するはめになった石油元売りの最大手。
当時の会長である杉森務氏が、日本経団連副会長、石油連盟会長といった要職も含め、突如として、その身を退いたのは2022年8月のこと。当初、一身上の都合を理由に挙げていたが、沖縄のクラブホステスにキスを強要したり、ドレスを強引に脱がしたりする行為に及び、肋骨を折るケガを負わせていたことが、ほどなく明らかになった。

さらに、翌23年12月には、社長の職にあった齊藤猛氏が懇親会の場で酒に酔い、同席した女性に抱きつくという失態を犯し、解任される処分を受けている。
エネオスHD関係者によると、
「新日本石油とジャパンエナジーをルーツとする『JXホールディングス』と東燃ゼネラル石油とエクソンモービルをルーツとする『東燃ゼネラルグループ』が経営統合し『JXTGホールディングス』が発足、これを20年6月に改称したのがエネオスHDです。
売上高を比較すれば、8兆円近かったJXHDに対し、東燃ゼネラルは2兆円規模。それゆえ、経営統合後のエネオスHDでは、JXHD出身者、とりわけ旧日本石油出身者が主流派を占め、社長ポストはずっと指定席になっていました。セクハラ二人組も日石出身者だったので経営トップに登り詰めることができたわけです。
しかし、齊藤前社長の後を受け、24年4月からエネオスHDを率いるようになった宮田知秀社長は東京ゼネラル石油の出身。日石出身の経営トップが二代続けてセクハラで交代するという事態に、宮田社長は就任後、“企業ガバナンスの向上”を掲げ、経営体制の刷新を打ち出しました」