戦果を収める北朝鮮の大量肉弾作戦

 米シンクタンク「戦争研究所」(ISW)は11日付分析で「ウクライナ軍のドローンによる空爆が頻繁に行われているにもかかわらず北朝鮮人民軍は大規模な突撃部隊を戦闘作戦に投入している。これが高い死傷率の一因となっている可能性が高い」と指摘している。

 米紙ワシントン・ポスト(11日付)は「ここ数週間、ロシアは北朝鮮人民軍を利用し、クルスク州における反撃能力を強化している。北朝鮮部隊はロシア軍の大砲とドローンの支援を受け、大規模な集団でウクライナ軍の陣地に向かって前進している」と伝えている。

「発見されないよう小集団で移動するロシア軍とは異なり、北朝鮮兵士たちはしばしば上空を飛ぶドローンを無視し、仲間が負傷したり横で殺されたりしても前進する。ロシア軍は獲得した地域を安定させるため北朝鮮兵士の後についていっている」(ワシントン・ポスト紙)

 大規模部隊でウクライナ陣地を襲撃するという北朝鮮の極めて単純な戦術は戦果を収めている。北朝鮮兵士を利用することでロシア軍は自国の兵士を温存できる。昨年12月、400~500人の北朝鮮人民軍部隊がウクライナ陣地を攻撃し、少なくとも6対1の兵力でウクライナ軍を圧倒した。