メンターになる人と老害になる人とは「紙一重」
「老害」という言葉を調べると「年齢や経験をたてに幅を利かせ、周囲に迷惑を及ぼしたり、不愉快な気持ちにさせたりする老人」という説明が出てきます。しかし、現在の「老害」は、年配の方だけを指すのではなく、幅広い世代、つまり10代や20代でも老害になっている人はいます。
松本清張氏の長編小説『迷走地図』(1982年~83年)で「老害」という言葉が登場していますが、この時代は終身雇用、年功序列がベースでした。そのため、「年齢が高い人が、社歴も長く、経験も豊富」という前提が成立しており、「老害=年配の人」とも言えましたが、今は違います。
終身雇用や年功序列が崩れ、中途採用も増えたため「年上の部下」「年下の上司」も存在します。また、リスキリング(新しい職業、職種に就くため、あるいは企業から求められるスキルの変化に適応するため、必要なスキルを獲得すること)によって、40代、50代からこれまでとは違う新たな仕事でイチからスキルを構築される方もいます。
そのため20代、30代の社歴やスキルが豊富な人が、そうではない40代、50代に「老害」をしているケースもあるということです。