ラスベガスのテスラ車爆発事件が暗示する2025年の幕開け
移民政策ではマスクがバノンに勝利、でも外国人からの搾取では同根
2025.1.3(金)
高濱 賛
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MAGAはとにかく有色人種、外国人が嫌い
すでに触れたバノン氏との「戦争」について以下、見てみる。
発端は、トランプ氏が将来を見据えたAIやクリプト(デジタル資産)担当の大統領アドバイザーにインド系のイスリアム・クリシュマン氏、また新設の科学・テクノロジー・アドバイザーズ委員会の委員長に南ア出身のデイビッド・サックス氏を指名したこと。
このあたりからMAGAのメンバーがいちゃもんをつけてきた。
言い出しっぺは、女性右翼活動家のローラ・ルーマー氏だった。
大統領選終盤でトランプ氏が「不法移民は犬や猫を食べている」と発言して物議を醸したが、それを同氏に囁いたとされる人物だ。
これには前段があって、あまりにも過激な発言をSNSで発信したのか、Xがルーマー氏を登録リストから外したのだ。
これに激怒して、カメラマン同行でX本社に抗議に出かけたが、玄関払いされてしまった。
このあたりからマスク氏を目の敵にし始めた矢先、トランプ氏がマスク人脈に繋がるインド系や南ア系を次々と要職に指名しだした。
おそらく「親分」のバノン氏に訴えたのだろう。ちょうど、移民問題でのH-1Bビザ問題が表面化していた。
バノン氏
一、テクノ億万長者とやらは、バックシートに座って勉強したまえ。これから1年、2年、3年としっかり物事の基本について勉強したまえ。
二、部屋に入ってきてまだ1週間しか経っていないのに、教壇に立って我々にレクチャーするなどとはおこがましい。
三、いずれ、その面の皮をひん剥いてやる。
四、私はここ10年、大物たちをやっつけてきた。ちなみに我々は南アからやってきた白人(マスク氏のこと)などはいらない。
五、H-1Bを含め不法移民は直ちに国外追放すべきだ。今必要なのは移民政策の「内臓」を摘出することだ。我々は相手が屈服するまで戦う。
(Steve Bannon tells Elon Musk to 'sit in the back and study' amid visa row )
マスク氏
一、私が手掛けてきたテスラにしろ、スペースXにしろ、H-1B保持者たちがいなければできなかっただろう。彼らを国外追放する勢力とは戦争も辞さない。
二、H-1Bビザ保持者をやみくもに追い出そうとする輩は物事の本質が全く分かっていない。
三、私は「アメリカ第一主義者」だが、同時に「アメリカのテクノロジー第一主義者」だ。
トランプ氏
一、私は常にH-1Bビザ保持者たちが好きだ。私が所有する企業にも多くのH-1Bビザ保持者がいる。「高度熟練労働者」を優遇する制度は素晴らしい。
(Elon Musk Is Dividing And Destroying MAGA)