事故発生の原因については、運航中の飛行機に飛んでいた鳥が衝突し、エンジンなどに異常が発生するバードストライクの可能性を高く見ているが、バードストライクだけではこれほどの大型事故は起きないという専門家の意見もあるだけに、普段から航空会社の安全管理がきちんと行われていたのか疑問視する声もある。
また、務安国際空港の滑走路の長さが比較的短かった(全長2.8kmのうち、現在300mほどが工事中のため使用不可で、実質的な滑走路の長さは2.5km)という意見や、傾斜した滑走路を補完するために丘とコンクリートの防壁を設置した設計上の問題点も事故の被害を大きくした原因の一つとして指摘されている。
政府の関係当局が揃いも揃って「代行体制」
いずれにせよ、正確な事故原因が明らかになるまでには少なくとも1年以上がかかると予想されている現在、最も急がれるのは迅速な事故収拾だろう。
しかし、災害を収拾しなければならない政府の関係当局が、ほとんど“代行体制”で運営されている状況に韓国国民の不安が増している。
まず、国家的災難のコントロールタワーになるべき肝心の大統領が、非常戒厳事態によって弾劾され、職務が中止されている。各省庁を有機的につなげる「災難対策本部」を組織して指揮しなければならない首相も、憲法裁判官3人に対する任命を拒否したという理由で弾劾されてやはり職務を中止されている状況だ。