事故直後、国民の顰蹙を買った李在明氏のSNS投稿

 そして最も嘆くべきなのは、国会を掌握し、まるで政権党にでもなったつもりの共に民主党が、この大事故の発生直後にも弾劾世論の醸成に集中する態度を見せたことだ。当然、メディアからはひんしゅくを買った。

 29日、事故発生から1時間ほどが経った10時頃、李在明(イ・ジェミョン)共に民主党代表はSNSに現政権を嘲弄する文を載せた。ハリウッドの名作『明日に向かって撃て!』になぞらえて尹錫悦大統領の非常戒厳を嘲弄した内容で、「ブッチ+サンダンス=明日に向かって撃て、尹+韓=国民に向かって撃て」というものだった。しかし、あまりにもタイミングと内容が不謹慎だと支持者から指摘を受けて、慌てて削除した。

共に民主党の李在明代表(写真:Chris Jung/NurPhoto/共同通信イメージズ)
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 当時、メディアは務安国際空港事故の深刻な状況を速報で次々報じていたが、李在明代表は事故に対しての言及は全くなく、弾劾世論を作るための扇動にひたすら熱を上げていたのだ。

 共に民主党の金潤徳(キム・ユンドク)議員も同様だった。事故直後のタイミングで記者懇談会を行い、憲法裁裁判官任命のための世論づくりに励んだ。金議員は「崔相穆権限代行に促す。国民の命令によって、憲法に明示された手続きによって混乱を止める道を選択しなければならない。国会が推薦した憲法裁判官3人を遅滞なく任命し、特検を受け入れなければならない」と強調した。事故を心配するどころか、ただ大統領弾劾に向かって突き進もうとする共に民主党の本心が如実に表れてしまった。

 こうした国家的危機においては、事故再発を防ぐためのきちんとした原因究明と、社会混乱を煽る陰謀論に対する統制が必要だが、悲しいことに韓国社会では早くも根も葉もない陰謀論が広がっている。