12月27日に韓悳洙(ハン・ドクス)首相の弾劾案が国会を通過し、大統領「代行の代行」を引き受けることになった崔相穆(チェ・サンモク)経済副首相は、その2日後にこの悲劇的な事故に直面することとなり、いま収拾に全力を尽くしている。
崔相穆代行はすでに大統領と首相の職務に加え国家経済のトップを兼任しているが、さらに今回の事故の収拾も担わなければならなくなった。ただでさえ大統領の弾劾局面における為替危機などで国家経済も非常状態なのに、災難収拾策まで引き受けることになったのだから、崔相穆代行には途方もない負荷がかかっている。
政府の混乱に遺族から苛立ちの声
悪いことに、災難収拾の中心となる行政安全部長官も弾劾訴追を受けた後に辞任して不在になっている。普段なら行政安全部が引き受けたはずの災難対策本部の中心役割は国土部にあずけられた状況だが、経験のない国土部でまともに処理できるか疑問だ。
さらに、事故現場の秩序と治安を担当する警察庁長や安保の責任を負う国防部長官も捜査機関によって拘束され、代行体制が続いている。そのために事故現場である務安国際空港に集まった遺族たちからは、「行政安全部長官はどこに行ったのか」「政府のコントロールタワーが見えない」等の怒りの声が出ている。