NPBと独立リーグ、選手たちの決定的な差

 例えば、練習の時に、監督やコーチが一人の選手のフォームがおかしいことに気が付く。

「投手でも、打者でも、NPBの選手なら、そういう指摘をした次の日には、修正してくる。『こういうことですよね』と確認しに来る。一言いえば、その意味するところを理解して、完璧に修正していることが多いんだ。

 でも、独立リーグの選手の中には、何を指摘されているかもわからない選手がいる。また理解しても『いえ、僕はこのやり方で来たので』という選手もいる。自分のやり方に固執しているから成績が上がらないのにね」

 練習の態度も大きく異なるという。

「この練習を今日から毎日やれ、と言うと、NPBの選手なら、その瞬間からそれをやり始める。そして『もうやめろ』と言うまでやっている。やりながら自分で工夫もする。

 でも、独立リーグの選手の中には3日も経つと『すいません、やってません』と言うのがいる。NPBにいるときは気が付かなかったけど、NPBと独立リーグの差は大きいね」

2024年、千葉ロッテマリーンズの一軍戦の風景(筆者撮影)
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 その指導者は、さらに分析をしてこう述べた。

「独立リーガーたちは『成功体験』があまりないんだ。だから『ああしろ』と言っても続けることができない。NPBの選手は指導者のアドバイスに従って練習して『うまくいった』経験を持っているんだ。『成功体験』があったから努力が続けられる。この差は大きいと思うよ」