2.解消されることなく年を越した「宙づり国会」

 こうした経緯を踏まえると、いわゆるハングパーラメント(=宙づり国会)自体は新しいことではない。

 もちろん、衆議院における本格的なハングパーラメントは1993年の自民党下野以来31年ぶりとなるため、永田町に衝撃が走ったが、今回のハングパーラメントの際立った特徴は、そうした「宙づり状態」が連立等により解消されることなく、あるいは政権交代することなく、少数与党のまま組閣され、昨年の臨時国会も平穏に閉幕したことにある。

 そして、石破茂内閣は発足当初こそ不安視されたが、ふたを開けてみれば野党間の鍔迫り合いを利用して分断を図り大過なく補正予算を成立させた。

 年末の会見でも石破総理は、国会運営を振り返り「熟議の国会にふさわしいものとなった。少数与党で自分たちの意見がそのまま通るわけではないが、一歩でも前に進むことが大事」としつつ、「ハングパーラメントの妙味を最大限生かしながら目指すべき日本を確立したい」と余裕さえ見せた。