新陳代謝率が高い街はどこ?
不動産を購入、投資する場合、多くの人は建物の立派さに目を奪われがちだが、そうではない。建物が位置する街で人の出入り=新陳代謝が活発であるかどうかがその解答だ。そこで東京都内における街の新陳代謝状況と地価の変動率について東京都内の各行政区で比較を行ってみよう。
なお分析にあたっては各行政区別に転入者と転出者の合計を新陳代謝数とし、2023年中の数値を集計、23年1月1日の人口に対し、どれだけの新陳代謝が行われたかを代謝率とした。また公示地価は各行政区の平均値(住宅地、商業地を含む全用途の平均)を変動率で示した。
結果は驚くべきことに、新陳代謝数と地価増減率の間には見事な相関関係があることがわかる。
全国において経験値的には代謝率が10%を超える街、つまり全人口の1割が1年間で入れ替わる街が、不動産が良く動き、地価が上昇する傾向にある。もちろん地価はそれ以外の理由、たとえばブランド立地である、新しい産業、工場などが進出したなどの要因で変動することがあるが、おおむね相関関係があることが確認できる。