進平がリサを守るために殺したヤクザの兄が、端島に報復にやってきたので、逃げたのだ。その後もヤクザは長年にわたって鉄平を執拗に狙った。ヤクザはいつの時代も厄介だが、昭和期は法の不整備もあって、今よりずっとタチが悪かった。
朝子への思いを貫いていた鉄平
鉄平によるプロポーズを予感したのも朝子の勘違いではなかった。鉄平はプロポーズの際に朝子に贈るギヤマンも自作していた。
ギヤマンは彫刻をほどこしたガラス製品。かつて朝子が「ダイヤの指輪よりギヤマンが欲しか」と、言ったことを鉄平は忘れていなかった。
逃亡者生活を送っていた鉄平は朝子に連絡しなかった。朝子に危害が及ぶことを恐れた。そもそも朝子は鉄平をあきらめ、実家で働いていた調理師・虎次郎(前原瑞樹)と結婚してしまった。
朝子は辛かっただろう。恋人からの裏切りも傷つくが、恋人が自分を密かに愛し続けていたことを知るのも哀しい。
賢将にはそれが分かっていた。ドラマ内でははっきりと説明しなかったが、賢将がノートをしばらく自分の手元に置いていたのは友情から。朝子が傷つくことを恐れた。