「米国一人勝ち」でオルカンも恩恵
新NISAでは、資産運用会社に支払う信託報酬を極端に低く抑えたインデックス連動型の投資信託が人気を集めました。特に、世界の株式に分散投資をするMSCIオールカントリー(オルカン)や、S&P500指数連動のファンドが圧倒的人気で、オルカンかSP500を買っておけば安心、といったムードさえ広がりました。結果はどうだったでしょうか。
日本経済新聞によると、年初来の資金流入額は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(三菱UFJアセットマネジメント)が2兆1744億円(11月末時点)、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」(同)が1兆7647億円にもなります。オルカンも米国株の組入比率が6割を超えており、S&Pの投資信託と並び「米国一人勝ち」の恩恵を大きく受けました。
こうしたオルカン、SP500への人気集中は2025年もおそらく続くのでしょう。顧客獲得競争の激化を見越して、三菱UFJアセットマネジメントは「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の信託報酬を年0.09240〜0.09372%から年0.07568%〜0.08140%に1月下旬にも引き下げる方針で、さらに注目を集めそうです。
ただし、オルカン、SP500は資産運用の裾野を広げる牽引役としての役割が期待される一方で、ともに依存する米国経済の不透明感が急速に高まっていることには注意も必要です。2025年は、いよいよ「米国一人勝ち」の状況が終わる可能性があるからです。
その最大の要因が、トランプ政権の発足です。