(中野晴啓:なかのアセットマネジメント社長)
新NISA2年目となる2025年、株や為替はどう動くのでしょうか。前編では、「米国一人勝ち」とも言える状況が終わり、世界同時株安の引き金を引く可能性を指摘しました。では、日本はどうなるのでしょうか。
【関連記事】
(前編から読む)【2025年NISA戦略】米国株「一人勝ち」終わる!トランプ2.0でインフレ再燃懸念、世界同時株安の引き金に
迷走気味の日銀、利上げはどうなる?
カギとなるのが、日銀です。
日銀は12月の金融政策決定会合で利上げを見送りました。植田総裁はその理由について、「来年の春闘に向けたモメンタムなど、今後の賃金動向についても少し情報が必要」「次の利上げの判断に足るには、もう1ノッチ(段階)ほしい」などとコメントしました。これを受けてドル円相場は金融政策決定会合前と比べて3円以上、ジワジワと円安が進みました。
来年の春闘ということは、春頃まで利上げをしない可能性が出てきました。「1ノッチ」が何を指すかは不明ですが、トランプ政権誕生後の状況を見極めたい、ということだと見られています。マーケットは安心して円売りをできたわけです。日銀が介入しない限り、春くらいまでは円安傾向が続く可能性があるでしょう。
私は、今回の植田総裁の発言を聞いて、正直、日銀は迷走気味だなと感じています。