近年稀に見る政治家大使だったエマニュエル

 バイデン政権で駐日大使を務めたラーム・エマニュエル氏は、近年まれにみる「活動する大使」だった。

 カマラ・ハリス副大統領が当選していれば、国務長官になるとまで噂されていた。

 ポスト安倍以後の歴代政権を突き動かし軍事面でも日本を「普通の国」に仕向けた功労者だったと、ニューヨーク・タイムズは書いている。

Rahm Emanuel, U.S. Envoy, Says His Impatience Nudged Japan Forward - The New York Times

Ambassador Emanuel on building military cooperation with Japan to deter China | PBS News

 エマニュエル氏は、東京を拠点に中国の軍事力拡大を激しく批判してきた。大統領首席補佐官、シカゴ市長など民主党の中枢での経験を引っ提げて、自ら駐日大使を希望して東京に着任した。

 バイデン候補を大統領に押し上げた功労者だが、カネで大使のポストを買ったわけではない。

 そのエマニュエル大使が去って、来年に着任するグラス次期大使。

 こちらは反中スタンスとカネで大使職を手に入れた民間人。背後でトランプ氏が操る「操り人形」に終わるのか。

 東京から北京に向けて反共プロパガンダを叫ぶラウドスピーカーになるのか。

 石破首相がいつトランプ氏に会えるのかを案ずるよりも、グラス氏が持ち込む「トランプ旋風」に身構え、準備する必要がありそうだ。