有力選手たちの熱い思い
エースの平林は2月の大阪マラソンを学生記録の2時間6分18秒で制した学生トップランナー。今回は5区候補にも挙げられているが、順当なら3年連続の2区になるだろう。前回は1時間06分26秒で区間3位と好走しており、今回は区間賞と1時間5分台の期待も十分にある。
そして今年の國學院大はエースに頼らない駅伝で勝利をもぎ取ってきた。有力選手たちはどんな野望を持っているのか。
5区の候補に挙がる高山豪起(3年)は「インフルエンザに苦しんだ去年の今頃と比べて、100倍ぐらい調子がいいですよ」と話す。前々回は遊行寺の坂がポイントとなる8区(13位)に出走。前回は10区(10位)を担ったが、本調子ではなかった。
今年の全日本大学駅伝は夏合宿の疲労が抜けきらず、最終8区から4区(4位)にまわった。しかし、関東インカレ2部ハーフマラソンで日本人トップになった実力者は、「調子は非常に上がってきています。上りに自信があるので、5区でも正直、戦える自信がある。走るなら國學院大記録を狙いたい」と浦野雄平(現・富士通)が持つ1時間10分45秒をターゲットに掲げた。
副将としてチームを引っ張っている山本歩夢(4年)は、「陸上人生で一番の走りをして、チームに勢いをつけたい」と意気込んでいる。1・2年時は3区(ともに5位)を好走しているが、入学時から「1区」を希望してきたという。前回は故障の影響で欠場しただけに、最後の箱根は「自分の持ち味であるスピードを生かせる区間ならどこでもいいかな」と1、3、7区のどこかで起用されそうだ。そして青学大・太田蒼生(4年)に強烈なライバル心を燃やしている。
「正直、太田君はめちゃめちゃ意識しています。同じ福岡県出身で、高校時代はライバルとして戦ってきた相手。最後の箱根は当たりそうな気がするんです。そして僕が蒼生を止められたら、青学大に勝てる」
3区に入ることになれば太田と3年ぶりの“直接対決”になる可能性は高い。全日本大学駅伝のMVP男は、「全日本を余裕で超える爆走を見せたいと思います」とはにかんだ。
前回4区を担った辻原輝(2年)も青学大・太田を意識しており、「どんな強い選手が来ても勝って、先頭でタスキを持っていく。太田さんのような走りをしたいと思っています」と話す。そして4区と7区は地元を走る“特別なコース”になる。
「多くの友人や知り合いが応援してくれるので、頑張れるスポットがたくさんある。相当いい走りができるんじゃないかなと思います。4区を任されたら区間賞を目指したい。タイムでいえば尊敬する太田蒼生さんが2年時にマークした1時間0分35秒をひとつの指標に置いています」
前回は三大駅伝初出場ながら準エース区間を4位と好走した辻原。「格上と戦う方が燃えるんです」という國學院大のお祭り男がチームに火をつける。