賢子の「光る女君」宣言、倫子の恐怖の問いかけにまひろは…
ドラマの後半では、大宰府から無事に帰ってきたまひろに、娘の賢子が「幸せなど幻なのだと、母上の物語を読んで知りました」と『源氏物語』の感想を伝えている。
どうせそうであるならば、「光る女君となって生きようかしら」と考えたことを母に明かした。
母親としては止めるべきだろうが、まひろは「よいではないの」と何だか楽しそうだ。実際の賢子は恋多き女として、宮中で有望な貴公子たちの心を次から次へとつかむ。最終回では、賢子の成長ぶりがどこまで見られるのか、楽しみにしたい。
とはいえ、最終回を迎えるに当たって、視聴者が一番気になっているのは、道長の妻・倫子の問いかけにまひろがどう答えるかだろう。道長と久々の再会もつかの間に、倫子に呼び出されたまひろは、こう問いかけられたのだ。
「それで……あなたと殿の仲はいつからなの。私が気付いていないとでも思っていた?」
最終回のタイトルは「物語の先に」。15分拡大版となる。この連載も最後までお楽しみいただきたい。
【参考文献】
『新潮日本古典集成〈新装版〉紫式部日記 紫式部集』(山本利達校注、新潮社)
『藤原道長「御堂関白記」全現代語訳』(倉本一宏訳、講談社学術文庫)『藤原行成「権記」全現代語訳』(倉本一宏訳、講談社学術文庫)
『現代語訳 小右記』(倉本一宏編、吉川弘文館)
『紫式部』(今井源衛著、吉川弘文館)
『藤原道長』(山中裕著、吉川弘文館)
『紫式部と藤原道長』(倉本一宏著、講談社現代新書)
『偉人名言迷言事典』(真山知幸著、笠間書院)
【真山知幸(まやま・ともゆき)】
著述家、偉人研究家。1979年、兵庫県生まれ。2002年、同志社大学法学部法律学科卒業。上京後、業界誌出版社の編集長を経て、2020年より独立。偉人や名言の研究を行い、『偉人名言迷言事典』『泣ける日本史』『天才を育てた親はどんな言葉をかけていたか?』など著作50冊以上。『ざんねんな偉人伝』『ざんねんな歴史人物』は計20万部を突破しベストセラーとなった。名古屋外国語大学現代国際学特殊講義、宮崎大学公開講座などでの講師活動も行う。徳川慶喜や渋沢栄一をテーマにした連載で「東洋経済オンラインアワード2021」のニューウェーブ賞を受賞。最新刊は『偉人メシ伝』『あの偉人は、人生の壁をどう乗り越えてきたのか』『日本史の13人の怖いお母さん』『文豪が愛した文豪』『逃げまくった文豪たち 嫌なことがあったら逃げたらいいよ』『賢者に学ぶ、「心が折れない」生き方』『「神回答大全」人生のピンチを乗り切る著名人の最強アンサー』など。