コンサート会場のような雰囲気すら醸し出す

 1970~80年代の暗い軍政権時代の戒厳令や集会は、皆が決死の覚悟の顔をしていた。

 対峙する軍や警察も必死の形相でデモを解散させようとしている姿が、ニュースにたくさん流れた。

 だが、今回の戒厳令では当時と比べて何となく頼りない感じがしてならない。

 例えば、国会に突入した軍隊だ。

 精鋭の軍隊だったら、国会議事堂へ侵入するためにガラスを割って入る時もかっこいい入り方ありそうなものなのに、今回は何だか右往左往しているように見えた。

 戒厳令が解除された後も、撤退するなかで軍人がカメラに向かって何度も「ごめんなさい」と謝っている姿も変な感じである。

 彼らは命令に従っただけなので、これまでなら謝る人はいなかったはずだ。もちろん、私的な気持ちとしては謝りたくても、それは軍人の姿に似つかわしくないように思える。

 集会に使われる音楽もK-POPに変わった。

 集会に参加している若者たちは、K-POPの音楽に合わせて合唱したり、ペンライトを揺らす。

 これもまたSNSに投稿され、ミーム(Meme)になってリツイートされる。