1. 約10年前に登場した時代遅れの無人機

 約10年前に北朝鮮が使用していた無人機には、北朝鮮が韓国に侵入させた無人機2種類とパレードに登場させた1種類の合計3種類があった。

 2014年に発見された全長約1.2メートルの偵察と自爆用、2017年に発見された全長1.8メートルの偵察用無人機だ。

 1.2メートルの小型のものは、中国の大原航友航空科技有限公司の「SKY-09」と同じ形で、偵察にも使えるが自爆用にも使用できる。

 その特色は、全体の形と頭部に角のようなアンテナが取り付けられていることだ。

 頭部のアンテナは、後述の平壌に侵入しビラを投下した無人機の特色と一致している。

写真1 中国と北朝鮮の無人機

左が中国の無人機、中央と右が10年前に韓国に墜落した北朝鮮の無人機(出典:韓国国防部)

 2015年10月の軍事パレードに登場したのは偵察用だ(写真2)。

 これら3種類の無人機は、監視用のカメラが設置されているが、撮影した画像をリアルタイムに送信できない。

 そのため、定められたコースを飛行して写真を撮影し、帰投するだけの能力しかない。

写真2  2015年10月軍事パレードに登場した北朝鮮無人機

出典:朝鮮中央通信

 米国製の無人偵察機「グローバルホーク」が2004年、無人攻撃機「プレデター」が1995年の運用開始であることから、北朝鮮の前述の無人機は、かなり時代遅れの兵器であった。