「社長が今朝、早貴と入籍したって!」

 そんななか吉田氏は2月8日に大阪に向かった。八尾市に2トントラックで酒の仕入れに来ていた野崎氏経営の酒販会社「アプリコ」の番頭“マコやん”と合流し、そこから一緒に田辺に向かった。翌日から都内のテレビ番組制作会社が「野崎氏と愛人たち」というテーマで撮影することになっていたので、その取材に立ち会うためだった。

 夕方、吉田氏がアプリコの事務所に着くと、従業員と何やら話していたマコやんが衝撃的な事実を口にした。

「社長が今朝、早貴と入籍したって!」

 どうやらその日の早朝、アプリコの従業員を証人にして市役所へ行き、婚姻届けを提出したという。吉田氏もマコやんも信じられない思いだったという。

「まるで住所変更の届け出でもしたみたいな気軽さじゃないか。早貴の両親たちはどう思っているんだろう」

 仕事終わりに向かった居酒屋でマコやんがそうボヤくのを聞いた吉田氏もまったく同じ気持ちだったという。

 だが、今回の「ドン・ファン殺害事件」裁判の検察側冒頭陳述によれば、このときすでに早貴は「遺産目当てと言われた女たち5選」などの動画を視聴し、結婚後は「完全犯罪」「老人 死亡」「老人 完全犯罪」などのキーワードでネット検索していたというから恐ろしい。野崎氏が自然死なのか殺人なのかは別にして、近い将来、早貴被告は野崎氏の莫大な遺産を手にするつもりで結婚したのは間違いないだろう。

2018年4月下旬、野崎氏と入籍を済ませた早貴被告(左)がゴールデンウィークに帰省する際に南紀白浜空港で撮った一枚。隣の男性は番頭のマコやん。この帰省から早貴被告が田辺に戻ってきた直後、写真の愛犬イブは急死した(撮影:吉田 隆)
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