北海道札幌市で生まれ育った早貴被告は、高校卒業後、市内の美容専門学校に通いながらキャバクラでアルバイトをしていた。そして19歳の時、客として店に通っていた60代の元銀行マンの男性と知り合い、彼を騙しておカネを引っ張る“パパ活”をして計約3000万円を手にしている。

 こちらの事案では、21年4月に「ドン・ファン殺害事件」で彼女が逮捕された後に、詐欺罪で起訴され、今年9月に懲役3年6カ月の判決が下され、刑も確定している。ただ当時は、早貴被告がそのような“犯罪行為”に手を染めていたことを知る者は一人もいなかった。

知人の紹介により野崎幸助氏と知り合い、初めて和歌山県田辺市の野崎氏宅を訪れた須藤早貴被告(撮影:吉田 隆)
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話が盛り上がらなかった2人

 話を戻そう。田辺市で一泊した彼女は帰京し、そのおよそ10日後に都内・六本木の高級ホテルで再び野崎氏と会食している。このときには横浜市に住んでいる野崎氏の妹のHさん、そして前出の吉田氏も野崎氏から呼ばれ、同席している。

 なぜ吉田氏が呼ばれたのか。

「2人が最初に会った時、早貴被告には話題の引き出しがなく、相手に話を合わせることもしなかったので、ドン・ファンとの会話がまったく盛り上がらなかったのです。そこで会話の盛り上げ役としてボクが呼ばれたのでしょう。

 田辺での初対面のときにも居合わせましたが、そのときにはブランド物で着飾った背伸びをしすぎた女性だなと、あまりいい印象は持ちませんでしたが、この晩、2人はかなり打ち解けた様子で、それなりに盛り上がったのではないでしょうか」(吉田氏)

2017年12月、東京で再開した野崎氏と早貴被告(撮影:吉田 隆)
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 このとき、妹のHさんが、

「兄は世話をしてくれる結婚相手が欲しいんです。早貴さんがその気になってくれたら嬉しいんですが……」

 と言ったのが印象的だったという。