自工会が提案した車両課税の改革案

 令和8年(2026年)度から実施する具体的な税制改革に向けた短中期的な視点と、2030年代以降を想定した視点の2つだ。

 短中期については、車両の取得時にかかる消費税に一本化することを目指す。なぜならば、自動車税の性能環境割との二重課税になっているためとした。

 また、重量ベースで課税標準を統一する。そこに環境性能に応じた増減の仕組みを盛り込む。

 現行の制度は主にガソリン車の排気量に基づいた区分であり、それを今後、EVなど電動車が普及することを見据えた考え方に変更するべきだという主張だ。

日本自動車工業会が9月19日に実施した定例記者会見の様子(写真:筆者撮影)

 さらに注目するべきは、より長期的な視点での提案が盛り込まれていることだ。「目指す姿」として「モビリティ時代に相応しい公平で持続的な税制」という題目が書かれている。

「モビリティによる受益の拡大を踏まえ、自動車所有者以外の受益も考慮する必要」とした上で「保有者に偏る負担を見直し、より広い受益者が公平に負担する持続的な課税のあり方を検討する」という表現を使っている。

 つまり、いわゆる「交通税」の導入に対して自工会として理解を示したと受け取れる。

 なお、この改革案について自工会が開催した報道陣向けのオンライン記者会見では、ガソリン減税など燃料関連税についての要望は現時点では含まないという説明があった。