吉居大和は弟・駿恭のタイムを上回る

「2024八王子ロングディスタンス」に出場する吉居大和(右から2人目)

 7組は吉居大和(トヨタ自動車)のアグレッシブな走りも印象的だった。荻久保が前に出るまでは、ペースメーカーの後ろに食らいつく。自己ベストとなる27分42秒88の4着でフィニッシュ。ほぼ同時刻に行われていたMARCH対抗戦10000m4組で弟・駿恭(中大3)がマークした27分44秒48(中大記録)を上回った。

「春先に1年の計画を立てたときは27分30秒ぐらいをガツンと狙うレースがしたかったんですけど、ちょうどいい組がなかったのと、2週間前の中部実業団駅伝でうまくいかなかった。自分のなかである程度切り替えて、5000m13分55秒から最後上げて、27分45秒を切るという目標を立てて、組のトップを狙って走りました」

 吉居は11月10日の中部実業団駅伝で最長4区を区間8位と大失速。トヨタ紡織・羽生拓矢にかわされ、チームは敗れている。

「中部実業団前は練習が楽にできていたので、追い込めていなかったのか、ちょっと軽く仕上がり、(レースで)浮いちゃった部分がありました。それよりも精神的な方が大きくて、羽生さんを意識しすぎて硬くなってしまったのが原因かなと思います。駅伝で予定していた走りができず、その後の練習でも上げることはできていませんでした……」

 手応えがあったわけではなかったが、吉居は駅伝のミスを10000mで完全払拭。ニューイヤー駅伝と新シーズンに向けて弾みをつけた。

「大学時代は狙った10000mレースで力が入りすぎて、後半持たないことがほとんどだったので、だいぶ走り方がわかってきたかなと思います。ニューイヤー駅伝は連覇が目標になりますが、僕は僕の走りをすることが一番(大事)かなと思っているので、そこに集中したい。そして来季は日本選手権10000mで上位に入ることと、27分30秒をひとつのターゲットにしたいと思います」

 ニューイヤー駅伝で連覇を狙うトヨタ自動車は5組で野村優作、丸山竜也、湯浅仁が28分06~08秒台の上位でフィニッシュ。最終8組(S)では吉居と同学年のライバルが激走することになる。