斎藤は「100点」の走りで自己ベスト

 荻久保と一緒に練習をしている斎藤将也(城西大3)も素晴らしい走りを見せた。先輩のペースアップに対応できなかったが、最後まで集団のなかで競り合った。そして27分45秒12の6着でゴールに飛び込んだ。

「緑のウェーブライトをターゲットに進んで、ラスト1周で上げるプランでした。7000mぐらいまで余裕を持っていけて、荻久保さんが仕掛けた後はちょっときつくなったんですけど、一番の耐えどころを粘ることができた。想定通りのレースで、今日は100点の走りになったと思います」

 夏合宿が終わってからずっと調子が良かったという斎藤。10月14日の出雲駅伝は1区で11位に終わったが、11月3日の全日本大学駅伝は4区で区間2位。今回の10000mレースで約1年前にマークした自己ベスト(27分59秒68)を約14秒も塗り替えた。

「ポイント練習の質を少しずつ上げていくなかで継続的にトレーニングができています。それが1年間の成長につながっていると思います。今日は調子が本当に良かったので、あとは冷静に走るだけでした。ただ荻久保さんとはまだまだ実力差があるので、少しでも追いついて、追い抜けるように頑張りたいです」

 斎藤はレース翌日、宮崎合宿に合流。今度は正月の晴れ舞台に向けて仕上げていく。

「箱根駅伝は2区で戦って、勝ち切るレースをしたいです。ハイペースで押していき、ラストは戸塚の坂を粘る。10000mのスピードを生かして、1時間5台に乗せたいなと思っています」

 前々回は1時間08分46秒(区間15位)、前回が1時間07分15秒(区間8位)。3年連続となる花の2区を任されることになれば、日本人最高記録(1時間05分57秒)と区間記録(1時間05分49秒)を目指して、突き進むつもりだ。