2024年11月23日、「2024八王子ロングディスタンス」に出場したひらまつ病院の荻久保寛也(右)と城西大の斎藤将也 撮影/酒井 政人(以下同)

(スポーツライター:酒井 政人)

荻久保が27分38秒28でトップ

 10000mの国内最速記録を目指す「2024八王子ロングディスタンス」が11月23日、八王子市上柚木公園陸上競技場で行われた。来年正月の駅伝や東京世界陸上を目指す国内有力ランナーが集結。全8組で好タイムが飛び出した。

 そのなかで大量の日本人“27分台”が誕生したのが7組(A)だ。先頭集団は5000mを13分54秒で通過。27分50秒のイーブンペースで灯る緑のウェーブライトの先を進んだ。残り5周を切って、荻久保寛也(ひらまつ病院)が集団から抜け出すと、後続を引き離していく。

 最後は井川龍人(旭化成)に迫られたが、荻久保が27分38秒28でトップを飾る。井川が27分39秒05、3着の今江勇人(GMOインターネットグループ)が27分42秒65をマークするなど、10人の日本人選手が27分台でゴールに駆け込んだ。

 自己ベスト(27分44秒74)を約6秒更新した荻久保は、「東京世界陸上を目指しているので、来年4月の日本選手権10000m(金栗記念選抜中長距離大会と併催)に出場できるようなタイムを出したいと思っていました。目標タイム近くで走れて良かったです」と充実の表情を見せた。

 荻久保は11月3日の九州実業団駅伝1区で区間賞。10日前にはトレーニング拠点である母校・城西大で斎藤将也とハイレベルな練習ができたという。

「城西大では低酸素室を使わせていただいていますし、九州実業団駅伝後の流れも良かったです。ペースを上げるまでは斎藤が僕の前に出る場面もあり、普段の練習のような感じでリラックスして走れました。練習で斎藤に負けはしないです(笑)」

 来年9月の東京世界陸上に向けては、「4月の日本選手権で優勝してアピールしたいですね。400m66秒切りの練習を結構やっているので、最後上げることを考えたら27分10秒台くらいは出せるようにしていきたいと思っています」と話していた。