不満の正体を理解する

 不満は、単に不満を感じることだけで成り立っているわけではありません。

 満足している部分と不満な部分を比較し、不満な部分が大きく感じられるときに「不満である」として認知します。

 例えば、相手の性格を考える際に、優しいとか、几帳面などプラスに感じることがいくつかあったとしましょう。

 しかし、時に過度に感情的になったり、束縛がややキツイなどのマイナス面がプラス面を上回っているように感じられると、全体の満足度はマイナスになってしまいます。

会社の利益と同じ考え方

 会社で「売上-費用=利益」と考えるように、夫婦関係も「得ているもの-奪われているもの=満足度」と捉えます。

 満足度を高めるためには、奪われている部分(不満)を改善してもらうだけでなく、得ている部分(満足)に目を向けて、そちらをさらに伸ばしてもらうよう働きかけていくアプローチも有効です。

バイアスに気をつける

 夫婦生活も長くなってくると、相手から得ているものは「当たり前」と感じるようになって忘れやすく、実際より過小評価しがちです。

 その一方、奪われていると感じているものは、どれだけ時間が経っても忘れないし、目先の些細なことでも必要以上に大げさに捉えてしまうなど、過剰に意識される傾向があります。

 実際に、私のクライアントさんのほぼ全員が、お相手から得ているものを過小評価し奪われているものを過大評価していました。

 このバイアスを冷静に取り扱わなければ、誤った評価をしかねません。

 そのため、満足と不満の要素をできる限り漏れなくテーブルの上に並べて俯瞰し、それぞれが全体に与えている影響度を冷静に整理することが重要です。

 よく口論になった時に、相手が本題とは逸れて、自分に対する別の不満を引っ張り出してきて追撃をされるシーンがあります。

 それらの不満も一つひとつを全体の中に置いて客観視してみると、案外大したインパクトがないことに気づいたりします。

ポイント2:分野ごとに分けて整理する

 満足度をざっくり全体で考えるだけでなく、分野ごとに分解して整理することで、問題点や改善点をより具体的に把握していきます。