連載:幸せな結婚のバランスシート

結婚は大学進学とはまるで違う(OlessyaによるPixabayからの画像)

大学進学率と似たり寄ったりの結婚比率

 文部科学省が2023年度に行った学校基本調査によれば、同年春の大学進学率は57.7%だったのだそうです。

 一方で、厚労省が2020年に発表した人口動態統計では、15歳以上の男性の57.4%,女性の54.0%に配偶者がいる、という報告がされています。

 数字だけを見ると大学に行く人と結婚している人の割合は概ね同じなんですね。

 そこで、今回は大学進学と結婚で似ている点と異なる点をまとめてみました。

 まず、大学の場合、なぜ行くのかと聞かれたら、本当は自分が志している夢や、就きたい職業がまずあって、それらを実現させるための知識や資格、人脈などを獲得するため、と答えることができたら美しいですよね。

 どの大学に行くかや学部の選択についても、自分が目指す分野の研究が活発に行われていたり、その道の第一人者が在籍していたりするなど、将来のキャリアに直接つながる環境を求めて門を叩く、といったプロセスが理想かもしれません。

 ただ、実際にはどうでしょうか。

 もちろん、受験の段階で既に将来のビジョン明確に持ち、それに沿った選択ができている人も中にはいるでしょう。

 しかし、多くの人は経済状況などの環境が許す限り大学には行くものだという固定観念を両親や世間から植え付けられていないでしょうか。

 また、高校に進学すると受験対策の授業がデフォルトであったり、同級生にも大学進学を目指す人が多数を占める環境要因なども働いて、進学をしない選択があらかじめ排除されている人も多いのではないでしょうか。

 進学先や学部の選択を、自分がやりたいことからの逆算で行うというよりは、例えば、数学が苦手だからという消去法的な理由だけで理系を避けて文系学部を選択するという人も珍しくありません。

 そのうえで自分の学力偏差値と各大学偏差値を比べながら、現実的に実現できそうな範囲の中でできるだけ高い偏差値のところを目指し、その結果合格できたところに入学する、といったケースが多いと思います。