将来設計をきちんと話し合おう

 それに対し、結婚は生涯にわたってその関係を継続することが前提となっています。

 そのため、いったん結婚という目的を達成してしまったら、それ以降、夫婦関係を継続する意義や、良好な関係を保てているかを振り返る機会が通常ありません。

 また、昔は結婚していないことで、社会的に認められにくかったり、出世に悪く影響したりした部分もあったようですが、多様化した現代の社会では結婚していることの具体的なメリットも普段はあまり実感しにくいかもしれません。

 その結果、前回の記事でも触れたように、不満を感じながらも、ただ漫然と夫婦関係を続けているだけのカップルが意外と多いかと思います。

 さらに、大学はあらかじめ期間が定められていることに加え、途中で気が変わればいつでも辞められますし、受け入れ先が許せば他大学や他学部に編入することも可能です。

 しかし、結婚の場合はよほどのことがない限り、両者の合意がなければその関係を終了させることができません。

 2度にわたる離婚に延べ約8年を要した私からすると、その労力(私の場合は極端な例ですが)を払ってまで離婚を進めるのに躊躇する気持ちもよく理解できます。

 ただ、離婚の話に要する時間がもったいないのと同時に、不満を抱きながら夫婦を過ごす時間はもしかしたらそれ以上にもったいないかもしれません。

 どのみち離婚をしないのであれば、結婚をした時にはさほど考えたり話し合ったりしてこなかった夫婦の将来やあり方に改めて向き合っていただき、前向きに関係を続けてもらいたいと願います。