4番目に考えられる「幸せな結婚」を継続する方法は、「共通の外敵をつくる」となります。

 例えば中国や韓国が反日教育をして、内政上の問題を隠そうとするのに似ていますが、これが結構効果があるものです。ほどよい効果があるから、いつまでたっても反日です。けしからんですね。

 我が国固有の領土である竹島や尖閣列島や北方領土に対して、占領したりしている場合がありますが、政府は「大人の対応」などとわけの分からないことばを発して弱腰になり、いいようにあしらわれ、我々国民はその外交・防衛の失策のツケを支払わされています。

 防衛問題はさておき、この「共通の敵」理論は、恋愛にも結婚生活にも応用可能です。

 恋愛の場面では、「自己肯定戦略」(人間には相手から認められたいという強い欲求があるために、褒められたり、うなずかれたり、肯定されると、その人に好意を抱くという心理を使って相手の歓心を買う戦略)と組み合わせると効果抜群です。

 例えば、職場で好きな人がいるとします。その人が上司にこっぴどくしかられて、その晩一緒に飲んだとします。その人が「ほんと、嫌な上司」と言ったら、あなたは即座に同調すべきです。

 「本当ですよ、私も意地悪されました」と。叱る上司が共通の敵となり、2人の間の精神的距離が縮まり、恋愛に発展する可能性もあるでしょう。

認知的バランス理論

 「共通の敵」とは、結婚生活に応用可能な戦略ですが、上手に運用していただくためには、心理学者フリッツ・ハイダーが提唱した「認知的バランス理論」を理解してもらわなくてはなりません。

 「認知的バランス理論」とは、心理的齟齬が生じているとストレスになることから、その齟齬を解消しようとする行為を指します。

 例えば、大好きなAという商品があり、テレビでCMをやっているのですが、CMに出ている俳優が大嫌いというような場合です。このような場合に大好きな商品と大嫌いな俳優の間にアンバランスが生じています。

 心理的にこのアンバランスを解消する方法は次の3つのうちのどれかです。

選択肢1. 商品を嫌いになる
選択肢2. 俳優を好きになる
選択肢3. CMは見間違いだったと自分を納得させる(CMが出たらチャンネルを変える)

 どの選択肢を取るかは、どれが最もエネルギーを消費しないで済むかという費用対効果の問題になります。多くの場合は3番目の選択肢でしょうか。

 それでは、上記を夫婦生活の場面に応用してみましょう。