近年「発達障害」に対する世の中の理解が深まっている。様々な症状をひとくくりにして「発達障害」と呼んでいるが、ザックリ言えば「発達の凸凹」のことで、周りの人に比べて、脳の発達の進んでいる部分と遅れている部分とが混在している。そのため、自分の得意分野ではとんでもない才能を発揮する人も少なくない。
その一方で、発達障害を抱える人たちは、「上手く会話がかみ合わない」、「空気が読めない」など、他人との意思疎通がうまくとれない「コミュ障」であることが多く、このことが恋愛や婚活、結婚生活を進めるうえで大きなハードルとなっている現実もある。
そこで昨年発売した著書、『発達障害と結婚』(イースト新書)が話題の発達障害カウンセラー、吉濱ツトムさんに、「コミュ障でも幸せになれる術」について指南してもらった。
コミュ障と大人の発達障害
職場や家庭で、自分以外の人とうまくコミュニケーションが取れないことを「コミュニケーション障害」、略して「コミュ障」と呼ぶことがある。年齢や性別の違い、職場環境や所属コミュニティーの違いは、どうしてもコミュニケーションがうまくいかない原因になりうるが、そういった要因もなく、日常的に他人とのコミュニケーションが苦手だったり、自分では気づかぬうちに他人に不快な思いをさせてしまったりするようなコミュニケーション不和に対し「コミュ障」という言葉を用いることが多い。
「コミュ障に悩む人の中には、自身の『発達障害』が原因という人も少なくない」というのは、自身も発達障害を抱えながら、カウンセラーとして多くの発達障害者を見てきた吉濱ツトムさんだ。