分野別に整理するメリット

 会社では、全体の利益を見ただけでは分からない問題が、部署ごとの利益を分析することで明らかになります。

 同様に、夫婦関係でも満足や不満が現れる「分野」を細かく見ることで、具体的な改善点が浮き彫りになります。

 ここでは6つの分野で整理をしていきます。

心のつながり(精神的満足):感情的な充実度や距離感、許容範囲、性生活など。

お金のつながり(経済的満足):収入、支出のバランス、金銭感覚、貯蓄、借金など。

時間とのつながり(時間的満足):共有時間、一人の時間、干渉の度合いなど。

子供とのつながり(育児の満足):養育方針、家族計画、費用、生きがいとしての子供など。

親族とのつながり(実家・親族関係の満足):サポートや干渉、介護、親族関係全般。

世間とのつながり(社会的満足):容姿、学歴、世間体、評判、ブランド意識など。

 例えば、「心のつながり」で会話の減少に不満を感じていても、「お金のつながり」では家計をしっかり支えてくれている満足感が大きい場合、全体ではプラスのバランスになることがあります。

 このように分野別に整理すると、夫婦関係全体の構造がより明確になり、夫婦それぞれの「強み」と「弱み」が明らかになります。

 相手の強みが明らかになることで、相手に対するリスペクトが改めて生まれるかもしれません。

 また、自らの弱みは素直に認めて相手に協力を求めたり、可能な範囲で改善を図るなどの具体的なアクションに繋げることができます。

 今回示した「夫婦関係を見える化する方法」は、6つの分野に分けて整理することで、マンネリやモヤモヤを具体的に把握し、関係改善の糸口を見つけるための第一歩です。

 これにより、相手に対する不満がどこから生じているのか、また満足度を高めるためにはどの部分をより意識すればよいのかが明確になります。

 しかし、この整理をさらに「より実践的に、そして俯瞰的に」活用するためには、会社でも活用されているバランスシート(貸借対照表)の考え方に落とし込むのが効果的です。

 バランスシートは、得ているもの(資産)と奪われているもの(負債)を対比させることで、会社全体の状態を一目で把握できるツールです。

 この方法を夫婦関係にも使えば、現状を整理するだけでなく、満足度を向上させるための具体的な改善アクションも見つけやすくなります。

 次回のコラムでは、今回の内容をベースに、夫婦関係を「バランスシート」に具体的に落とし込み、実際の生活で役立つ形にする方法を解説します。

 バランスシートを活用してマンネリとモヤモヤをぶっ壊し、新たなステージへと進んでいきましょう!