トランプ政権になっても米石油業界は大増産しない
11月20日付のブルームバーグは「来年の原油生産量の伸びは日量約25万バレルにとどまる見通しだ」と報じた。この予測のとおりとなれば、新型コロナのパンデミックで落ち込んだ2020年以降、最も緩慢なペースとなる。
主な要因は「来年の世界の原油市場が大幅な供給過剰となる」との懸念が広がっていることだ。10年前とは異なり、シェール企業は自らの増産によって原油価格が下がり、赤字に陥るとの失敗を繰り返すことはないだろう。
連邦政府の所有地開放などには時間を要することから、規制緩和の効果が表れるのはトランプ氏の任期以降になるとの指摘もある。
世界の原油市場で米国にシェアを奪われてきたOPECプラス(OPECとロシアなどの大産油国で構成)は胸をなで下ろしているのかもしれない。
原油市場で「買い」材料となったのは、欧州地域の最大規模を誇るヨハン・スヴェルドルップ油田の生産停止だ。