2つのジャンボの価値を存分に味わえるポートフォリオの考え方

 以上、2種類の宝くじの特徴を細かく見ていった。また、高額当せんというものを超高額当せん、大変な高額当せん、高額当せんの3つに分けて、その意味を考えてみた。それらを踏まえた上で、今年の年末ジャンボの狙い目や賢い買い方について考えてみよう。

「年末ジャンボを連番でたった3枚だけ買って、ただひたすらに10億円のてっぺんを目指す」という究極の頂点狙いの買い方は、シンプルで潔くカッコイイ買い方といえるだろう。あるいは、「当せん確率が高められている1等を狙って、年末ジャンボミニを○枚買おう」という買い方は、ジャンボミニの内容を熟知したクレバーな買い方と言えるかもしれない。

 また、「今年は年末ジャンボを○○枚、年末ジャンボミニを△△枚買い揃えて、いろいろな高額当せんを狙ってみよう」という買い方は、2つの宝くじからポートフォリオを組成して、その価値を存分に味わう買い方と言えるだろう。

 くじの買い方は人それぞれだ。これが正解といえるものはない。ただ、このようにいろいろ考えてくじを買うところから、すでに宝くじの楽しさは始まっている。

 今年の宝くじの発売期間は12月21日までとなっており、検討のための時間はたっぷりある。

 くじを買った後は、大みそかの抽せん日まで、「もし10億円が当たったら……」、「○○万円の当せん金を手に入れたら……」などと夢想して、ドキドキ感やワクワク感を存分に味わう。そうすることで、慌ただしい年の瀬を楽しく過ごすことができれば、すでに宝くじの効用を十分に引き出すことができたと言えるだろう。

【参考資料】
「宝くじ公式サイト」(全国都道府県及び全指定都市)
 『ユースフル労働統計 2023─労働統計加工指標集─』(独立行政法人労働政策研究・研修機構)

【篠原拓也(しのはら・たくや】
ニッセイ基礎研究所主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト。1969年東京都生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、1992年に日本生命入社。2014年から現職。保険事業の経営やリスク管理の研究、保険商品の収益性やリスク評価、社会保障制度の調査などを行う。公益社団法人日本アクチュアリー会正会員。著書に『できる人は統計思考で判断する』(三笠書房)がある。