米石油業界が規制緩和をトランプ氏に要望

 供給サイドの動きをみてみると、OPECの10月の原油生産量は前月比46.6万バレル増の日量2653万バレルだった。国内の政治的対立が収まったリビアが前月に比べて日量55.6万バレル増加したことが主な要因だ。イスラエルとの確執が強まるイランの原油生産量は前月に比べて日量6.8万バレル減少した。 

 世界最大の産油量を誇る米国ではハリケーン「ラファエル」の影響で日量39万バレルの生産が停止したが、被害はほとんどなく、その後、順調に回復している。

米国石油協会はトランプ氏に、バイデン政権が実施した規制を廃止するよう求めた。写真はテキサス州の石油関連施設(写真:AP/アフロ)

 米国の石油・ガス業界団体「米国石油協会(API)」は12日、トランプ次期大統領に対し、気候変動対策を目的としたバイデン政権が実施した規制を廃止するよう求めた。トランプ氏は同業界に関する規制の撤廃を公約に掲げていた。

 規制緩和により米国の原油生産は増加するだろうが、大幅に増加する可能性は低いとの指摘が出ている。米国の石油産業は生産増よりも利益重視に経営方針を転換しているからだ*1

*1Standard Chartered: American Oil Output Won’t Surge Under Trump(11月10日付、OILPRICE)

 ロシアでは生産体制の強化についての憶測が流れている。

 11月8日付米ウォール・ストリート・ジャーナルは「ロシア国営石油大手ロスネフチが天然ガス国営大手ガスプロムの石油部門(ガスプロム・ネフチ)やロシア民間石油最大手ルクオイルを買収する可能性がある」と報じた。3社が1つになれば、サウジアラムコに次ぐ世界第2位の石油企業となる。