レゾナック・ホールディングス 取締役 常務執行役員 最高人事責任者(CHRO)の今井のり氏(撮影:酒井俊春)

 2023年1月に昭和電工と日立化成が統合して誕生したレゾナック。統合に伴い最高人事責任者(CHRO)を新たに設置し、新体制による人材育成と企業文化の変革を進めている。同社が求める人材像、目指す企業文化とは? 統合プロジェクトで日立化成側のリーダーを務め、CHROとなった今井のり氏に、これまでの取り組みとその成果について話を聞いた。

本稿は「Japan Innovation Review」が過去に掲載した人気記事の再配信です。(初出:2024年7月16日)※内容は掲載当時のもの

文化醸成や人材育成はCEOとCHROの役割

――今井さんは、もともと人事の専門家ではなかったそうですが、レゾナック発足に伴い最高人事責任者(CHRO)に就任しました。どういった経緯だったのですか。

今井のり氏(以下敬称略) 昭和電工と日立化成が統合する際に、髙橋秀仁(レゾナック・ホールディングスCEO)は昭和電工側の、私は日立化成側の統合のリーダーを務めていました。髙橋がレゾナック・ホールディングスのCEOに就任するにあたり、「CFO(最高財務責任者)とCSO(最高戦略責任者)は外部から採用するから、CHROをやってほしい」と言われ、「いいですよ」と返事をしたのがきっかけです。

 実は、経営企画部門にいた7、8年前に、「機能性化学メーカーの戦略とは」と考えたことがあり、「究極は、人なのでは」と結論付けたことが今につながっています。当時から人材のことや、企業文化、組織については興味があり、課題意識も高かったので、「大変だけど、本気で変えていく」という髙橋の思いに共感して、CHROを引き受けることにしました。

――髙橋さんは日本GEでの経験を踏まえて、人事(HR)の重要性をよく説かれています。統合後、レゾナックの経営と人事はシンクロしているでしょうか。当事者としてどう見ていますか。