中国は他の利害関係国とともに空白を埋める

 袁氏によると、ホワイトハウスで政治的な変化が起きたからといって中国や他の国々が野心レベルを下げる理由はない。米大統領選の結果によって気候変動に関するリーダーシップの空白が生じるのは避けられない。中国は他の利害関係国とともにこの空白を埋める立場にある。

「中国の排出量が多いからではなく、中国は世界規模でクリーンテック解決策を提供する道を切り開いている。気候変動多国間主義には協力が必要だ。中国はEUや新興国のような国々と協力し、気候変動との闘いを継続することを奨励している」(袁氏)

 中国は野心的なNDC(国が決定する貢献)目標を掲げ、化石燃料からどのように脱却していくかを明確な形で示す必要があると袁氏は強調した。国際エネルギー機関(IEA)によれば、中国は再生可能エネルギー容量を大幅に拡大しており、30年までに3倍になる可能性がある。

 中国は世界の再生可能エネルギー容量拡大の60%を占める見通しだ。国家的支援が国際的な価格競争力を生み出し、太陽光発電と風力発電の合計容量が1200ギガワットという30年目標を6年前倒しの24年に達成すると予測される。