野党連合の試み

 野党第一党の立憲民主党の野田代表は、10月30日、維新の会の馬場代表や共産党の田村委員長と会談し、特別国会での首相指名で自らに投票するように求めた。田村は、企業・団体献金の禁止に取り組むことなどを条件に前向きに検討すると答えているが、馬場は、石破にも野田にも投票しないことを明言した。

会談に臨む立憲民主党の野田代表(奥右)と共産党の田村委員長(同左)=10月30日(写真:共同通信社)
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 特別国会は、11月11日に召集される予定であるが、玉木は首相指名の決選投票でも自らの名を書くと述べている。それは、結果的に石破が決選投票で野田に勝つことを意味し、自民党を利することになる。

 かつての民主党は、今の立憲民主党や国民民主党などに分裂したが、両党の政策をみてみると、国民民主党の政策は立憲民主党よりも自民党に近い。野党が大同団結すれば政権交代は可能なのであるが、両者がそうできないのも政策の違いが大きすぎるからである。

 因みに、自民党はかなりの政策の違いがあっても、貪欲に他勢力を取り込んでいく。それが実は、自民党が権力を維持している秘訣でもある。

 立憲民主党は、11月1日には国民民主党と幹事長会談を行い、政治改革の実現で合意を図ろうとしており、首相指名選挙での野党勢力の結集を図ろうとしている。しかし、その実現は容易ではない。

 国民民主党は、自民党と立憲民主党の双方からラブコールを受けており、マスコミからも注目の的になっている。