参院選後のねじれ国会もありえる

 負け方によっては、参院選後のねじれ国会もありえるのではないか。ただでさえ難しい、与党で過半数割れの状態だけに政権運営は時間が経てば経つほど厳しさを増すように思われる。

 衆参同日選挙や、普通に考えても来年後半から再来年にかけてのそれほど遠くない時期に再度の総選挙と政権交代が現実味を帯びてくるかもしれない。

衆院選の開票中、自民党本部でメディアのインタビューに応じる総裁の石破首相=2024年10月27日、東京・永田町(写真:共同通信社)

 ただし、今のところそれらは主に自民党不信、既存政党不信に起因する消極的な動機づけによる「消極的政権交代」というべきシナリオであって、野党の政権担当能力が国民から幅広く信頼される「積極的政権交代」ではなさそうだ。

 野党に「積極的政権交代」の準備ができているかといえば相当心許ない。

 国民の関心の高い経済政策や社会保障改革なども野党間の隔たりが大きいのみならず、立憲民主党の主張すら明確にならないままだからだ。

 筆者はいくつかの機会に立憲民主党の国会議員らに、消費税を上げるのか、現状維持か、下げるのかというごくシンプルな問いを投げてきたが、どうにもはっきりしない。

 人によって言うことが違いすぎるのだ。野党の政権担当能力と信頼向上を大前提に、「積極的政権交代」のシナリオを提示すべきだ。