デジタルマーケティングで効率的な営業に転換

 リコージャパンは、デジタル複合機などの事務機器を製造販売しているリコーの国内販売、サービスをつかさどる会社だ。2014年2月に親会社であるリコーがグローバルでデジタルマーケティングチームを立ち上げ、その直後の14 年度からリコージャパンは国内でのデジタルマーケティングの展開を開始し、カスタマージャーニーの策定に取り組んだ。

 同社がデジタルマーケティングを導入した大きな理由は「国内での競争の激化」だ。

 基盤ビジネスである複写機・プリンター分野は市場が成熟化していく中で、取扱商品が多い同社では、営業担当者がすべての商品を理解し的確に提案することが難しい状況になっていた。そこでデジタルマーケティングを活用した、効率的な営業活動が必要となった。

 また同社は顧客の変化について、「BtoB商取引では、顧客がコンタクトする前に購買決定プロセスの約57%が完了している」というアメリカの調査会社(CEB社)の調査を、自社のビジネスにも通じるものだと考えた。国内での競争に勝ち抜くためにも、営業担当者のアプローチ以前の段階にある顧客層を、デジタルマーケティングで取り込んでいこうと考えたのだ。