1年生5人を起用した中大が6位通過

 吉居駿恭(3年)、溜池一太(3年)、柴田大地(2年)というエース格3人が登録外となった中大も強烈なインパクトを残した。3年ぶりの予選会となったが、今大会では最多タイとなる1年生5人を起用。フレッシュなメンバーで臨みながら、合計10時間56分03秒で6位通過を果たしたのだ。

 白川陽大(3年)が17位(1時間03分58秒)、岡田開成(1年)が24位(1時間04分28秒)に入ると、阿部陽樹(4年)、原田望睦(1年)、佐藤大介(1年)も36位、40位、47位と続いた。想定から遅れる選手もいたとはいえ、ルーキー5人を起用しながら、大きく崩れることはなかった。

「暑かったので、タイムは全く指示していないです。とにかく順位だ、と。白川と岡田は30番以内、真ん中のグループ5人はできたら50番以内。最終ラインは100番前後でと考えていました。そのなかで1年生は学内10位以内に4人が入り、阿部の復調も印象的でした。箱根に向けて視界は良好かなと思います」(藤原正和駅伝監督)

 予選会を難なく突破した名門・中大だが、気になるのは予選会を欠場したエース格3人の状況だ。

「第100回大会で区間賞(7区)を獲得している選手に予選会を走らせるのはちょっと違うんじゃないのか? という話をしていましたので、駿恭を起用する気持ちはありませんでした。溜池と柴田は故障してしまった部分があったので、本戦ではふたりに奮起してほしいなと思っています」(藤原監督)

 他に日本インカレ3000m障害2位の浦田優斗(4年)も予選会は登録外。今季5000mと10000mで自己ベスト(13分44秒96、28分33秒76)を更新している本間颯(2年)はエントリーされたが、あえて起用を見送っている。これは11月3日の全日本大学駅伝を見据えての戦略だった。

「浦田はハーフ向きの選手ではないですし、本間もどちらかという全日本に向けて作ってきた感じです。全日本は今日のダメージもありますが、予選会を走っていない浦田、本間、駿恭を軸に面白いレースができるんじゃないかなと思っています」

 全日本で「5位以内」、箱根で「3位以内」を目指す中大。本当の戦いはこれからだ。