前回18位の専大が「サプライズ」の2位

ゴール手前を力走する専大・新井友裕 写真/日刊スポーツ/アフロ

 トップ通過は立大で合計タイムは10時間52分35秒。酷暑のレースで全体的にタイムは伸びなかったが、今回の悪条件を味方につけたのが専大だ。

 スタートラインに並ぶ直前まで選手たちは氷をつかってカラダを冷やした。

「首から下を時間ギリギリまで冷やしました。同じことをやっているチームもありますが、うちが一番、氷の量が多かったんじゃないですか」(長谷川淳監督)

 氷でクーリングした成果もあり、初ハーフとなったダンカン・マイナ(1年)が3位(1時間01分47秒)、新井友裕(3年)が21位(1時間04分22秒)に食い込むと、10番目の選手も170位(1時間06分55秒)でフィニッシュ。前回18位、参加資格の上位10人10000m平均タイム15位のチームが総合2位(10時間53分39秒)で大混戦を突破した。

「目標は7位通過だったのでいいサプライズになりました」と長谷川監督。「暑さで波乱が起きる」と読んで、「後半勝負」を徹底させたのも大きかった。

 3人はフリーで残り9人が集団走を実施した。設定ペースは5km「15分20秒」だったが、選手の判断で少し落として、グループは5kmを15分33秒で通過。その後もさほどペースを落とすことなく突き進んだ。10km通過時9位から、15km通過時で5位、最後は2位まで浮上する。チーム戦略の“勝利”だったといえるだろう。

「本戦は前半から行くしかありません。もっと力をつけて、力のある選手から並べていきたい」と長谷川監督。専大は2年ぶりとなる箱根駅伝でも“サプライズ”を演出するつもりだ。