ヒラリーの愛人、その顛末

 実は、ビルとヒラリーは夫婦ともにセックス・スキャンダルが露呈していたのだ。そのため、米国の市民の多くが、「倫理観が低い夫婦」とみなしていた。

 そうした評価が、2016年大統領選で、ドナルド・トランプにヒラリーが敗れた一因と目されている。

 ビル・クリントンの疑惑やスキャンダルが広く知られていたが、その多くにはヒラリーの深い関与があった。

 クリントンがアーカンソー州知事時代にビジネスパートナーのジム・マクドゥーガルと不動産開発会社ホワイトウォーターを共同経営していた時、土地の不正取引や不正融資を行ったホワイトウォーター疑惑が明るみになると、8年間に及ぶ調査が行なわれた。

 その際、疑惑の真相に近い証人で大統領次席法律顧問だったヴィンセント・フォスターが公園で頭部に複数の銃弾を受けて死亡、フォスターはリボルバーを手にした状態で発見された。

 だが、複数の銃弾を頭部に受けているにもかかわらず、自殺との不可解な判断が下されていた。

 亡くなったフォスターはかつてヒラリーと同じ法律事務所で働いていた同僚であり、彼女の愛人だったのは周知のことだった。

 2人の仲を複数の関係者が次のように証言している。

「ヒラリーは浮気者の亭主クリントンよりも、聡明で実直なフォスターを尊敬して心の底から深く愛していた」

「ヒラリーは、誰も見ていないと思ったのだろう。公のイベントの影で彼女はフォスターと激しいディープキスを交していた」

 ホワイトウォーター事件でビル・クリントンのビジネスパートナーだったジム・マクドゥーガルは、「誰もがヒラリーとフォスターの不倫については知ってる。だけど、ビルは妻ヒラリーの不貞を責める立場にはなかった」と語っている。

 そのジム・マクドゥーガルは詐欺と共謀の罪で、テキサス州の連邦刑務所に送られ独房で死亡。テキサス州タラント郡検視官事務所は彼の死因を明らかにしていない。