エース欠場も2区吉田が爆走した創価大

 前回、2番目(失格)にゴールした創価大。榎木和貴監督は「2区の吉田響がいい状態で仕上がっていますので、3区ムチーニでトップに立つ展開ができればなと思っています。4区には主将・吉田凌を据えていますし、アンカー小暮栄輝の勝負強さに期待して、目標の3位以上を達成したいと思います」と攻めのオーダーを組んできた。

 しかし、日本インカレ5000m王者のスティーブン・ムチーニ(2年)は欠場。エース区間の3区をルーキー山口翔輝に託すことになった。そして2区吉田響(4年)が爆走する。トップと26秒差の10位でタスキを受け取ると、9人をゴボウ抜き。一気にトップを奪ったのだ。3区で4位に転落するも、山口は区間7位でカバー。その後は安定したレース運びを見せて、4位に入った。

出雲駅伝、2区の区間賞に輝いた創価大・吉田響 写真/日刊スポーツ/アフロ

 前回2位に大躍進した城西大。櫛部静二監督は、「前回は1区斎藤が転倒して1分遅れた。その分がなくなれば、3区キムタイにいい状態で渡せるのかな。4区の主将・平林で大きくリードできれば、6区の久保出は自己ベスト以上の力があるので、期待したいと思います」と直前に目標を「5位」から「2位」に上方修正して、勝負に臨んだ。

 2年連続の1区となった斎藤将也(3年)は11位と出遅れて、3区のヴィクター・キムタイ(3年)に12位でタスキが渡る。キムタイは2年連続の区間賞で5位に浮上するも、4区平林樹(4年)と6区久保出雄太(4年)は区間9位と伸び悩み、7位でレースを終えた。

 前回5位の早大は、「優勝争いをするチームにしたいので、先頭を走る経験をさせたい。1区にエース山口、2区に主将・伊藤を置きました。1年生の山口は高校時代からロードに強いので、あえて厳しい3区を任せました。直近のロードレースで良かった4区藤本が終わった時点でどのあたりにいるのか。5区長屋、6区工藤はロードの安定性がある選手なので、最後まで先頭が見える位置でレースを進めたい」と花田勝彦監督が話していた。

 1区山口智規(3年)が12位と波に乗れず、2区伊藤大志(4年)も区間10位と大苦戦。3区山口竣平(1年)は区間11位と持ち味を発揮できず、4区終了時で9位と伸び悩んだ。それでも5区長屋匡起(2年)が区間3位、5区工藤慎作(2年)が区間2位と好走して、最後は6位まで順位を押し上げた。

 9年ぶりの出場となった大東大。真名子圭監督は、「目標の5位を確実にとれるオーダーを組みました。1区に10000mで本学最高タイムを持つ入濵、2区に5000mで本学最高タイムを持つ大濱を置いて勢いをつけたい。何かあった場合でも盛り返せるように3区には留学生を配置しました。最終的にはエース西川が5番でゴールできる流れで考えています」と自信を口にしていた。

 1区入濵輝大(3年)が5位で発進して、2区大濱逞真(1年)も区間3位と活躍。2区終了時で4位につけたが、3区キプロップ・エヴァンス(1年)で7位、4区小田恭平(4年)で10位に転落する。アンカー西川千青(4年)が区間5位と奮起するも、10位と振るわなかった。

 次なる戦いは約3週間後の全日本大学駅伝(11月3日)だ。有力校の指揮官たちは出雲駅伝の結果を踏まえて、新たな戦略を考えることになる。