統計に表れるドイツ製造業の悲惨な状況

 ユーロ圏9月製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)は45.0と8月の45.8から▲0.8ポイントも低下し年初来最低を記録している(図表③)。生産指数を中心とする製造業PMIの失速を受けて、域内経済の停滞を予想する声は強い。

【図表③】

ユーロ圏の製造業PMIの推移
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 製造業PMIの失速を国別に見ると、特にフォルクスワーゲン(VW)社の国内工場閉鎖が話題となっているドイツでは雇用判断を中心に一段の悪化が見られており、もともと相対的には低空飛行を強いられていたドイツ製造業の景況感が抑制されている様子が窺える。

 より市場で注目度の高い独ZEW景気期待指数などを見ても、ドイツの悲惨な情勢は毎月クローズアップされている。8月分(8月13日発表)は過去2年で最大で落ち込み、9月分(9月17日発表)は予想以上の落ち込みが目立っている(図表④)。

【図表④】

ZEW景況感指数(現状指数と6カ月の期待指数)
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 ZEWはアナリストを含む市場関係者などにアンケート調査を行った結果だが、Ifo企業景況感指数のように企業の景況感でも悪化は慢性的なものになりつつある。