間男だった独身男性が、大富豪の女性と結婚
ワシントンが、最も情熱的に愛した女性は人妻であった。
相手は親友ジョージ・フェアファックス・ウィリアムの妻、サラ・ケイリー(愛称:サリー)。
サリーは、バージニア州で最も裕福な家庭で育ち、知的で優雅な、品のある魅力的な女性だった。
親友のウィリアムとその妻サリーは隣人で、しばしばワシントンの家を訪れていた。
彼女はワシントンを誘惑するような、性的な表現を用いた手紙を送ると、その後2人は情熱的な情事を繰り返した。
ワシントンが間男として、彼女との肉体関係を持ったのはワシントンの結婚前の話である。
人妻サリーに入れ込んだワシントンだったのだが、27歳の時、1歳年上の未亡人で2人の子供の母マーサ・ダンドリッジ・カスティスと結婚する。
ワシントンの方から2度求婚しての結婚だった。
彼は父からプランテーションの一部を相続していたが、大規模なものではなかった。
ワシントン家は1657年に英国から渡って来た移民で、農園や鉱山開発を行ってはいたが、裕福な階級ではなく、ごく一般的な英国系米国人の家系だった。
一方、妻となったマーサはバージニア植民地における上流階級の農園主の娘で、18歳で20歳年上の有名な大富豪ダニエル・パーク・カスティスと結婚したが、7年後にダニエルが亡くなると、その莫大な遺産を引き継いでいた。
マーサとの結婚により、1万7000エーカー(6880万平米)の土地と数多くの奴隷を手に入れたワシントンは、富裕層の仲間入りを果たした。
中産階級だった彼が、後に初代大統領となる指導者的な地位の足場を築けたのは、資産家マーサと結婚したことが大きい。
妻マーサとの間には子供が生まれなかったが、ワシントンは結婚後、洗濯婦の娘のリトル・ケイト、英国の女スパイだったメアリー・ギボンズ、そのほか数多くの女性と浮き名を流したことが知られている。