日銀は2025年末まで2〜3回程度の利上げか
藤代氏:現状、2025年末までに2〜3回程度利上げし、25年末には最大1%程度の水準になるのではないかとの予想を置いていますが、ここ2カ月は為替が落ち着き、為替による輸入物価の上昇リスクがなくなってきているので、いったん利上げする必要性がなくなったとも認識しています。石破政権誕生による円高進行も利上げの必要性を低下させる要因になります。
日銀は利上げしたい組織だと考えている金融関係者も一定数いますが、私にはそのイメージはありません。日銀の植田総裁なども利上げをしないで済むならしないで、国内の景気を少しでも活性化させたいのではないかと思います。1ドル=150円の後半から160円程度の円安方向にいかない限り、長く様子を見るのではないかとも思っています。
ただ一方で、1ドル=140円台だったら利上げがないかというと、そうとも限りません。来年の3月になると春闘がありますが、現状の物価や企業収益から判断すると、「約30年ぶり」と言えるような範囲でまた強い結果になってくるのではないかと見ています。
物価も賃金も3%近く上昇するトレンドが続くのは1990年代前半と同じ状況ですが、当時の政策金利は2〜3%程度の水準でした。物価や賃金が来年も3%程度上昇するような見通しが見えてくると、政策金利も追加で上げてくる可能性はあります。米国景気が大崩れしない限りは、来年末までに2〜3回程度の利上げは視野に入れておくべきでしょう。