就任式では「職員の皆さんとワンチームで仕事を進める」と述べたが…
花束贈呈などのセレモニーもなく去って行く光景を遠くから眺めていた別の県議——文書問題調査特別委員会、いわゆる百条委の委員の一人だ——が漏らした。
「2021年8月の初登庁時は、庁舎前の芝生広場に1000人の職員が集まって出迎えたんです。『大きな期待を持ってその場へ行った』と、ある職員は話していた。前の井戸知事が5期20年も続き、最後の方は閉塞感があったからと。それがほどなく独善が目立つようになった。目立ちたがり屋で、うちわやポスターに顔写真を入れろとか、すぐにキレて怒鳴るとかね。
百条委でも取り上げた(県事業に関する新聞記事を見て「聞いてない」と)机を叩いた件は就任2カ月足らずの話。しかも完全な言いがかりですよ。そんなことが積み重なって職員はどんどん疲弊していった。最初は期待したと話していた職員は優秀な人です。でも去年の7月には『もう辞めたい』と友達と一緒に転職サイトに登録し、毎日眺めるまでに追い詰められていた」
斎藤と取り巻きの県幹部に関する7項目の疑惑(表参照)を告発した文書をめぐっては、文書を作成した元県民局長と、阪神・オリックス優勝パレードを担当した課長が自死している。
パワハラの横行、理不尽な人事や業務命令、「改革」や「刷新」と称する強引な手法に悩み、精神的に追い詰められていった職員はまだまだいるということだ。
「県民ボトムアップ型の県政」を公約に掲げ、就任式では「職員の皆さんとワンチームで仕事を進める」と述べた斎藤。
だが、実際は真逆だった。