*写真はイメージ(写真:metamorworks/Shutterstock)

 昭和、平成、令和と日本の政界を振り返ってみれば、政治家のスキャンダルが絶えたことはなかった。政治資金規正法違反、裏金問題、秘書給与詐取、さらには買春、不倫、脱税…と様々なスキャンダルが、過去から今に至るまで常に社会を騒がせてきた。

 スキャンダルは政治生命を脅かす。スキャンダルをかいくぐってしぶとく議員を続けた政治家もいるが、辞職、離党、落選と政治生命を断たれた議員も多い。中には自ら命を絶った議員もいた。

いつになってもなくならない「政治とカネ」の問題

 1989年、戦後最大の汚職事件と言われるリクルート事件が発覚した。時の政権与党は自民党だが、自民党内でこの事件に関与したとされた議員の顔ぶれは錚々たるものだった。首相、元首相、閣僚のお歴々が軒並み名を連ねていた。

リクルート事件の渦中にあった竹下登首相(当時)は、1989年4月に内閣総辞職を表明。翌日、金庫番とされた秘書・青木伊平氏が自ら命を絶った。後に衆議院予算委員会でこの件に触れ、「私自身顧みて、罪万死に値する」と述べた(写真:橋本 昇)
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リクルート事件で受託収賄罪で在宅起訴された藤波孝生元官房長官。「中曽根康弘氏の身代わりになった」とも言われた(写真:橋本 昇)
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大勲位中曽根康弘元総理。ロッキード事件の本星は彼だったとの説も。リクルート事件でも名前が取りざたされたが、いずれも立件されることなく政治家人生を全うした(写真:橋本 昇)
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 これによって同年6月に竹下内閣は総辞職に追い込まれ、後任として白羽の矢が立ったのは宇野宗佑氏だった。スキャンダルとは程遠い、クリーンなイメージを持たれていた。